プリンセスフォームになれなかったキャルの成長譚。運命が再びあの人と再会させる。キャルは無事に変身できるようになるのか!?
公開:2021年01月05日 (最終更新:2021年02月25日)
第6話「ランドソル大食い対決!」
イノリの高らかな宣言で開始を告げられたランドソル大食い対決。猛烈な速度で胃袋に収めていくペコリーヌ。それとは対称的に味わいながらゆっくりと食べ進めるアゾールド。ペコリーヌが有利に見えるが、早食いではなく大食い勝負のため、食べる速度は関係ない。
それでもさすがのペコリーヌ、屋台にある食べ物を片っ端から胃袋の中に収めていく。序盤から一気に勝負をつけにいく作戦のようだ。そんな実況を横目で見ながら、ホマレは自分の目当ての人物が来るのを笑顔で待っていた。それが誰なのかカヤが尋ねても教えてくれない。大食い対決だけがゆっくりと進んでいくだけだった。
一方その頃、【メルクリウス財団】――
【アマルガム貿易】について何の情報も出てこず、捜査は完全に座礁していた。無尽蔵の資金源、そして、朝から晩まで働き続ける優秀な人材。明らかに不自然なのにシッポを全く掴ませない。そんな時、遠くから大食い対決の実況が聞こえてくる。そこはほとんどの屋台や食事処が【アマルガム貿易】に奪われてしまった区画。何かあるかもしれないと、大食い対決を見に行くことになった。
対決現場に辿り着き、その異様な光景に息を呑む。次々に屋台から食べ物が運ばれ、ペコリーヌとアゾールドの胃袋へと消えていた。そんな光景を眺めていると、近くにたまたまいた主人公たちに声をかけられる。
挨拶もそこそこに大食い対決になった経緯を尋ねられ、主人公はこの勝負にキャルの居場所がかかっていると説明した。もしかしたら【アマルガム貿易】にも一枚噛んでいるかも知れないと、アキノたちは大食い対決を入念にチェックし始める。
その頃、思いがけない場所で覇瞳皇帝に再会したキャルは、裏切り者と罵倒されていた。幽閉されて屈辱を受けたのもすべてキャルのせいだと。キャルが何か言おうとするが、覇瞳皇帝の暴力によって阻まれる。殺される前にラビリスタの場所を教えろと告げた。知らないと言い続けるキャルに覇瞳皇帝の暴力は増していく。痛みから漏れるキャルの悲鳴がどこまでも響き続けた。
第7話「鑑定法」
ペコリーヌたちの大食い勝負開始から、数時間が経過――
圧倒的な速度で食べ続けたペコリーヌとアゾールドの差はすでに三倍以上。しかし、ペコリーヌの顔色がだんだんと優れないものになっていた。それでも勝利のために弱音を吐かずにペコリーヌは食べ続ける。
そんな激闘にまったく目を向けず、周りばかり気にしている存在があった。シェフィはクレジッタに近づき、なぜ周りばかり気にしているのかと尋ねる。クレジッタはペコリーヌのことよりも、周りの人間たちを観察していたようだ。このままでまずいことになってしまうと。その言葉通りに、町人の一人がペコリーヌに向かって罵倒を始めた。
【アマルガム貿易】の系列店の食べ物をずっとうまそうに食べているペコリーヌに不満を感じたようだ。店を奪われた人たちはストレスのはけ口に、それに乗っかり一緒になってペコリーヌを責め立てる。見ていられないコッコロたちは間に入ろうとするが、それをクレジッタが制止した。
文句を言いたいだけの人たちだから、直接的にペコリーヌに手を出すことはない。それよりもコッコロたちが間に入る方がこじれて問題が大きくなるだけだと言われて、コッコロは黙り込んでしまう。話を遠巻きに聞いていたアキノはだったらと、自分たちが間に入ることにした。
【メルクリウス財団】が間に入り、【アマルガム貿易】の不正は必ず見破ると宣言すると、町人たちの怒りもなだらかに収まっていく。一触即発の事態を避けることができた。そんな騒ぎの中、【アマルガム貿易】の店員のポケットから金貨が落ちる。なんだか様子がおかしく感じた主人公は思わずそれにかぶりつく――
すると、金貨が魔物に変化した。
どうやら魔物が金貨に偽装していたようだ。金貨を落とした店員をタマキの短剣が襲う。持っていたガマグチは斬り裂かれ、周囲に何枚もの金貨がばら撒かれる。どれもこれも魔物が擬態していたもので、本物のお金はなかった。店員にユカリが詰め寄ると、その顔が別の立ち飲み屋で見た顔とそっくりであることに気がつく。
芋づる式に【アマルガム貿易】のネタがバレていく。それでもしらばっくれる店員にホマレが攻撃魔法を放つ。魔法が直撃し、店員の頭が爆発し、中から機械音を立て、アゾールドの「万能人形」が姿を見せた。
第8話「店仕舞い」
クリーピングコインというモンスターを使い、金貨を無尽蔵に調達し、万能人形を偽装させて店員にしていた。主人公によって、自分の計画が明るみに出たアゾールド。しかし、その表情は余裕そのもので大きな声を上げて笑い、主人公を褒め称える。そして、ふいに途中から体調が悪そうに見えていたペコリーヌがバタリと倒れた。
あきらかに食べ過ぎとは違う様子。どうやら、アゾールドは次の策としてペコリーヌの食事に毒を混ぜて提供させていたようだ。卑劣極まりないやりかたにアキノたちの怒りが高まっていく。しかし、それをあざ笑うように大人しかった万能人形と、クリーピングコインが暴れはじめ、町人たちが襲われ始め、悲鳴があちらこちら聞こえてくる。
街の人を助けなければいけない。だけど、アゾールドを放っておくわけにもいかない。なにより、ペコリーヌの解毒もしなければいけない。やらなければならないことが山積みだ。
そんな迷いをアゾールドが狙っていたのか、主人公をすばやく襲い、気絶させると地面ごと主人公は取り込んでしまった。一瞬の出来事に誰もが呆然となる。アゾールドの本当の狙いは主人公だったようだ。
本来なら転移魔法を使って、【レイジ・レギオン】まで連れ帰りたいところだったが、クレジッタによって転移はできなくなっていた。今ならまだ主人公を取り返せる。アキノがすばやくみんなに指示を飛ばし、街を救いながらアゾールドの退路を塞ぐ。
そこにユイたち【トゥインクルウィッシュ】もコッコロからの通信魔法を受けて、助けにやってきた。
しかし、ユイたちの到着を誰よりも喜んだのは、ずっと静観していたホマレだ。そして、カヤとイノリに「ケンカの時間、だよ♪」と笑顔を見せる。
カヤとイノリが襲いかかったのは、【トゥインクルウィッシュ】のメンバーたち。いきなりの闖入者にその場は激しく混乱する。
ホマレからの提案にアゾールドは笑顔で承諾する。アゾールドはホマレが「七冠」ではないことに気がついている。ランファが逃げて持ち帰った情報を照合して、「七冠」ではないと確証したようだ。答えを聞き、ホマレは笑う。
「一致しなくて当然、だって――『あの人』は今、『こっち』にいないもん♪」
話も終わるとホマレはゆっくりとユイに近づいて行く。彼女の狙いは「ユイ」。そして、ユイに向かって「あなたが諸悪の根源なのは本当か?」と尋ねる。わけのわからない質問にユイは困惑しながら否定するだけだった。
第9話「呪縛の先に」
その頃、誘拐されたキャルは、覇瞳皇帝に尋問を受けていた。
苛烈な責めにキャルの思考は静かに歪んでいく。自分が生まれてきたことがそもそもダメだったんだと、全てがどうでも良く思えてきた。最後にもう一度、主人公に会いたい。そう思ったとき、なぜか主人公の声が聞こえてきた。驚き、キャルは顔を上げる。そこには主人公が立っていた。
主人公は急いでキャルに近づき、抱きかかえる。
ぽろぽろとキャルの目から涙が零れていく。自分が一番欲しいときに、一番欲しいことしてくれる。いつもいつも、こんなことばかりしてくれたら好きになっちゃう。想いが溢れて、好きだとキャルは主人公に向かって叫んでいた。
突然の出来事に驚いたのは覇瞳皇帝も同じ。だが、それは予定が少し狂った程度、キャル共々、自分の根城に連れ帰れば済むこと。覇瞳皇帝はジャマをするように二人に向かっていく。みんなで力を合わせてようやく倒せた覇瞳皇帝を二人で止められるはずがない。でもキャルを守るためにはやるしかない。
主人公の決心を悟ったのか、キャルは一歩だけ前に出て、「手を……握って欲しいの。ほんの少しでいいから」と促す。言われるがままにその手を取る。そして、キャルは声を上げる「チェンジ・プリンセスフォーム」と――
光に包まれたキャルの姿はプリンセスフォームを纏っていた。その力は凄まじくあの覇瞳皇帝を圧倒する。
そう叫び、倒したのは覇瞳皇帝に擬態していたアゾールドの万能人形だった。
第10話「混戦のゆくえ」
そして、舞台は再びランドソルの繁華街。
【美食殿】【トゥインクルウィッシュ】【メルクリウス財団】【ドラゴンズネスト】【レイジ・レギオン】がそれぞれの思惑を抱えて入り乱れる。
その中で困った立場にいたのは【リッチモンド商工会】のギルドマスターであるクレジッタだった。
目の前には暗殺を依頼されているペコリーヌが弱り切った姿で倒れている。これなら自分が危ない橋を渡らずにすむ。だから、放っておけばいいのだ。そう分かっていても、放っておけない。結局、クレジッタにできるのはひとつしかなかった。
ふいに大きな地震が起き、地面から光が浮かび上がってくる。そして、上空には姿を変えたキャルの姿があった。怒りをまき散らすように叫ぶと、ランドソル中に広がっていた万能人形だけを狙って、全てぶっ壊してしまう。あまりにも暴力的な力に誰も驚きを隠せなかった。
そんな頃、ついにユイにホマレにやられて傷つき倒れてしまう。レイとヒヨリが急いで駆けつけてくる。それを見てホマレはユイに回復魔法をかけて傷を治す。
「本当のことを誰にも教えてもらえないなんて、本当にかわいそう」
意味の分からない言葉であったが、ホマレは戦意を無くしており、命令されていたカヤたちも呆れた顔をして戦いをやめる。そこに合流してきたのは主人公とキャル。そして、コッコロとシェフィもやってくる。姿を見られて、キャルが恥ずかしそうな声を上げるといつもの姿に戻っていた。
どこか和やかな雰囲気になってきた様子を見て、アゾールドは計画がすべてダメになったとため息を吐く。慣れない力を使ったのが良くなかったとぼやく。それに対し、ホマレが「空間跳躍」「変身」「オブジェクト変更」どれもこれも不出来であるが「七冠」の力だと指摘する。
主人公がキャルの元にいけたのは、ラビリスタが遠くから「オブジェクト変更」をしてくれたおかげらしい。それさえなければ、ここまで計画が破綻することもなかったと悔しがる。種明かしを聞き、ホマレはあっさりとその場から去っていく。分け分からずに振り回されているカヤたちも怒鳴りながらそれに続いた。
残りは――
全員の視線がアゾールドに向けられる。
だが、まだアゾールドは力を残しており、万能人形とクリーピングコインを大量に喚び出す。街中への被害を考え、アキノたちがザコ処理に当たり、アゾールドはユイたちが対応することになった。
ユイ、ヒヨリ、レイが、プリセンスフォームにチェンジする。三人の協力でアゾールドを追い込んでいく。とどめの一撃をユイが放つ。勝ったかと思われたが、アゾールドが肉体強化を行い、それを防ぐ。強化されたアゾールドの力は異常で、ただの体当たりでありながら、大砲の弾のような威力に三人は逆に追い込まれ始めた。
三人では分が悪い。だったらとコッコロがプリンセスフォームに着替え、参戦する。さすがにプリンセスフォーム四人に囲まれてはアゾールドも勢いがなくなっていく。全員の力を合わせて、なんとかアゾールドを撃破した。アゾールドが倒れたことで、万能人形たちも動きを止める。ペコリーヌもキャルが手当てし、事なきを得たようだ。
ランドソルの広場に歓喜の声が上がる。誰もが喜びを噛み締めていると、アゾールドの姿がゴーレムに変わり、どこかにいなくなっていた。捕まえて話を聞き出したかったのは残念ではあるが、今は【アマルガム貿易】が抜けた穴を埋めて、町人を助けるのが先決だろう。
ペコリーヌも毒が抜けたら、お腹が空いてきたらしくご飯を食べたいと言い出す。プリンセスフォームになったみんなも同様にお腹が空いている。まずは食事と【美食殿】に向かっていく。キャルもその言葉に応える。その顔には先日までのような思い詰めたものはなく、晴れ晴れとスッキリした笑顔になっていた。
「竜たちと金貨の坩堝」の感想
キャルのプリンセスフォームまでの道のりと、クレジッタの葛藤、ホマレを筆頭とした新キャラの登場、様々な要素がてんこ盛りの回で、非常に見ていて面白かった。特にユイが諸悪根源であること。
ただ、プリコネ的には期待を良い意味で裏切るのが好きだから、おそらくユイは諸悪の根源ではなく、その関係者という曖昧な位置で落ち着くと思われる。もしくは、諸悪の根源である一部分を倒すために戦うとかね。
何にしても先の展開がかなり気になる。しかし、次回予告ではどう見てもお遊び的な位置づけの話になっていきそうな予感。それでも水着とか出てくれれば嬉しい。まあ、面白ければ何でも良いってことだよね。ってことで、また次の話でお会いしましょう!
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