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命を賭けたゲームはリアル参加型のダンジョンRPGだった。レアアイテムを集め、魔法少女たちは無事にダンジョンを攻略できるのか!?

公開:2021年08月25日 (最終更新:2021年09月01日)

第6話「退屈な経験者」

探索35日目。

敵を倒して、お金を拾うことも面倒になってきた魔法少女たち。毎日、一番いい部屋ロイヤルスイートに泊まっても、稼ぎの方が多い。ステータスにしても、そろそろカンストだ。ダンジョン内の道もすっかり覚え、隠し通路も網羅している。

理論的に全員が最強装備を手に入れており、欲しいアイテムもなくなっていた。罠による全滅の方が危ないと、宝箱さえも放置する始末。

もう未走破エリアは少ない。そこを探索しても出口が見つからなかったら、探索したエリアをすべて探し直しになってしまう。不安を胸に探索メンバーは未走破エリアへと踏み込んだ。

その頃、待機組は武器の手入れをしていた。その時、いきなり建物が崩れ落ちるかのような大きな地震が発生する。そして、地震が収まると壊れた壁から新しい階段が発見された。

ルクスリアも出てこないし、想定内の出来事だろうと、というか、ラスボスはルクスリアでしょ、という声まで上がる。実際にルクスリアの姿も消え、コクリとハクリの姿もいつの間にかなくなっていた。

こうなったら、ルール無用と探索メンバーの帰還を待たずに、待機メンバーだけで階段の先を探索することになった。

第7話「ただ前へ」

ラストダンジョンだと意気揚々、新しく見つかった階段の先に進んだ魔法少女たちだったが、下手なお化け屋敷よりも雰囲気のある場所に思わず息を呑む。

その中でエリザだけは怖がることなく足を進める。それを頼もしく思い、他の魔法少女たちも後に続く。

一方その頃、探索パーティはモンスターに遭遇していた。楽勝ムードで迎え撃とうとするが、相手はかなりヤバい敵の「マッドピエロ」だった。全滅の危険もある敵を前に、魔法少女たちの目が真剣になる。

エリザたちもモンスターに絡まれていた。しかも、相手は不具合を疑うほどのチートレベル。最強の防具をつけているはずの状態でも攻撃を一切受け流すことができない。しかも、相手の攻撃は致命傷を受けるほど痛い。おまけに頑張ってダメージを与えても、回復魔法まで使ってくる。

めちゃめちゃやばい中でもみんなで力を合わせてなんとか、モンスターを撃破した。

喜びも束の間、向こうから今、倒したモンスターが20体以上もやってくるのが見える。これは逃げるしかない。

花織の絶叫が木霊しながらも、なんとか逃亡に成功する。そして、進んだ先で探索チームと合流。目の前には太陽の光が見える上りの階段。いよいよゴールは近いと、魔法少女たちは情報交換と準備を始める。

いなくなったルクスリアたちの話を聞き、魔法少女たちの中でラスボスがルクスリアなのは確定事項になってた。その流れにマリアンヌだけが反対し、自分だけで階段を登っていく。

階段を上るとそこは「ミヤシタパーク」だった。マリアンヌを心配した魔法少女たちも続々とのぼってくる。

渋谷の地上に出られたはずなのに、ゲームクリアになった様子もない。不安が広がっていく魔法少女たち。そして、高笑いからルクスリアが姿を見せた。

第8話「座して待つ魔王」

ルクスリアはラスボスを召喚する。マリアンヌはルクスリアと戦うわけじゃないと聞き、ホッと息を漏らす。既に最強装備を集めた魔法少女たち。しかも、パーティメンバーは反則気味に全員揃っている。楽勝ムードが漂う中、ルクスリアは魔法少女たちに変身することを進めてくる。

一瞬それが何のことかわからなかった。しかし、出てきたラスボスの姿を見て、みんなは思い出す。自分たちが魔法少女であったことを。

ルクスリアに「ティターニア」と呼ばれる魔獣は、魔法少女たちが今まで倒してきた凡百な悪魔たちとは比べものにならないほど強い。いろはが持ってきていたコムニスを使って、みんなは魔法少女に変身する。

まずは全力で魔獣を倒さないとルクスリアと話もできない。ずっとルクスリアとの戦いを嫌がっていたマリアンヌも覚悟を決めた。

第9話「認めてくれる人」

ティターニアの圧倒的な力の前に、魔法少女たちは手も足も出ない。数々の戦いを勝ち抜いてきた、自信さえも打ち砕かれてしまいそうだ。このままでは全滅必至。いろはと蒼が敵を引き付け、その間にみんなは逃げるように指示を飛ばす。

もはや、誰かの死は免れない。そんな状況に陥ったとき、マリアンヌが最前列にゆっくりと歩み出た。

「もう……僕たちの負けっす」

諦めきったその声に、ルクスリアは怒りを露わにする。それでも負けたと言い続けるマリアンヌに、ルクスリアは「ならば死ね」と冷たく言い放った。

友だちだとずっと信じていたルクスリアに言われた、なによりもキツい言葉。それが昔、友だちだと思っていたクラスメイトたちに裏切られたときのことを思い出させる。

友だちだと思っていた相手に、友だちじゃないと突き放された悲しみ。乾いた笑いが零れ、マリアンヌの心はゆっくりと蝕まれていく。

絶望の淵に陥ったとき、りりの声が響く。そんな姿を「マリオン」に見られてもいいのかと。異世界で出会ったマリオンの言葉を思い出し、マリアンヌは正気を取り戻す。

そして――

マリアンヌは新しいドレスを身に纏う。

第10話「黒い咆哮」

魔法少女、全員で挑んでも勝てなかったティターニアを、マリアンヌが一人で押さえ込む。

ティターニアを倒したマリアンヌに、ルクスリアは笑顔で賛辞を告げる。やっとルクスリアと話ができると喜んでいたマリアンヌをあざ笑うように、ティターニアが第二形態へとその姿を変えた。

吸血鬼であるルクスリアの力を受けて、パワーアップしたティターニア。その姿を見るだけで、肌にゾワゾワと恐怖が宿っていく。恐ろしい力を持つ第二形態のティターニアの前に魔法少女たちは震えが止まらない。

それでもマリアンヌだけは力強く、ルクスリアに言い放つ。

「倒せないラスボスはいません!」

しかし、力の差は歴然。一撃でマリアンヌは吹き飛ばされ、足をやられてしまう。

ルクスリアの指示を受け、ティターニアはトドメの一撃を放とうとする。誰もがマリアンヌの死を予感した。本人も死にたくないと何度も呟く。

その時、懐かしい声が辺りに木霊する。

「絶対に助けるッッッ!!!」

ネメシスに体を壊されてしまった、とびおことオムニスがその場に姿を見せた。オムニスに言われるがままに、マリアンヌはオムニスを強く強く、どこまでも強く、抱き締める。

するとオムニスによって、ドレスに隠された「もうひとつの可能性」が顕現した。

真っ黒に染まった獣化形態。それは以前に花織がネメシスを押さえ込んだ力と同じものだった。

ドレスの力に導かれるままに、溢れる想いを乗せて、マリアンヌはティターニアに向かっていく。

第11話「ひとりぼっちの帰り道」

オムニスの新しい力によって解放された獣化の力で、マリアンヌはついにティターニアを倒す。それを見たルクスリアは感動の声を上げて、楽しげに笑う。

「こんぐらっちゅれーしょん」とルクスリアからゲームクリアを宣言された。しぶちかラビリンスの解体も約束し、ルクスリアたちはその場を離れようとする。

マリアンヌが引き留めようとするが、ルクスリアは振り返る事もなく、静かに別れを告げ、そのまま消えていった。

すると、さっきまで誰もいなかったミヤシタパークに、人々の姿が戻り始める。ゲームをクリアしたことで、ユラギが消えて、元通りになっているようだ。

いつの間にか、魔法少女たちの服装もゲームの装備ではなく、制服に戻っている。スマホの時計を見ると、時間も全然過ぎておらず、ルクスリアと出会った時間のまま。何十日もダンジョンを探索していたことが嘘のようだ。

本当にルクスリアは「遊びたかった」だけだったのかも知れない。どこか、ルクスリアに申し訳ないことをしたような空気が流れる。

ルクスリアの本心はわからないが、オムニスが戻ってきたことが何よりも嬉しい。いろはがオムニスに抱きつく。オムニスがその感触を楽しんでいた。以前は感覚などなかったが、カミサマンの力で拡張され、触覚機能が備わったようだ。

獣化について、陽彩が詳しく知りたがり、いつものカラオケルームに行くことになった。

久々のカラオケパーティだとはしゃいでいる魔法少女たちを横目に、マリアンヌはルクスリアとの楽しかった思い出を振り返る。

気づけばパーティも終わり、家の前まで戻ってきていた。

友だちじゃないとルクスリアにハッキリと告げられたことを思い出し、恨めしい言葉と一緒に涙が自然と零れる。

「友だちだと、思っていたのに……」

喪失感で気持ちはどこまでも落ち込んでいく。母親にルクスリアのことをどう話せばいいのか、悩みながらマリアンヌは家のドアを開ける。

玄関を抜けて、リビングに行くと、笑顔のルクスリアが迎えてくれた。

キョトンとしてしまうマリアンヌ。理由を尋ねると、自分の帰る家はここだとルクスリアは答える。ご飯を食べたら、また一緒にゲームで遊ぼうとルクスリアがはしゃぐ。

今までと変わらないルクスリアのテンションに、マリアンヌは戸惑いを隠せない。

でも、「おかえり」とルクスリアに言われ、マリアンヌも「おかえり」と心からの笑顔を見せた。

I=MGCM 第1部 第4章「シブチカラビリンス」の感想

長かったぁ。とにかく長かった。第11話まである段階で長いのは覚悟したけど、ここまで長いとは思わなかったね。これは前編後編に分けても良かったんじゃないだろうか……

名作WizardryをベースにしたダンジョンRPGの話で、読んでいてかなり面白かった。

マリアンヌとルクスリアの微笑ましい友情も最後は、涙で終わるかと思ったが、まさかのルクスリアの帰還でほっこり展開。オチまで含めて、かなり好感触の回だったと言える。

ルクスリアが戻ってきた以上、連続でルクスリアとの別れ展開にはしないだろうから、ここからどんな話になるのか想像がつかない。

次回予告だと、唐揚げを食べていないのになくなったとか、そんな話だったので、もしかしたら、新キャラでも出てくるかもしれない。更新を楽しみに待っていよう。

それではまた次回!

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