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【プレイ日記その1】モテない私がこんなにモテるようになった理由【牧場婚活】

公開:2020年04月14日(最終更新:2020年11月27日)

みなさん、こんにちは、アプリビレッジのもりすかだ。

あれはまだ、アプリゲームでチャットというモノに興味もなかった頃の話になる。あの当時の私は、アプリゲームにチャット機能があっても使うことはなかった。いや、厳密にはビビって使えなかったというべきだろう。ギルドに入っても挨拶もすることなく、空気を悪くすると気がつけば退団させられてこともあった。しかし、それでも私はチャットに対して強い恐怖心を持っていたのだ。

そもそも、会話するって何を話せばいいのか? 人見知り&口下手な私にはそれはあまりにもハードルが高い行為だった。人の交流があまり多くないギルドであれば、そこで挨拶してシカトされた日には、私のアホ面下げた挨拶がずっと残ってしまう。

もう二度とあんな想いはしたくないと、みんなが頻繁に交流しているギルドに入ったこともあった。しかし、盛り上がっていると余計に話しづらいと言うことを思い知らされてしまった。盛り上がっているクラスの中で、目立たないヤツが急にしゃべり出しようなものだ。当然、場は白ける。何アイツ、誰ってなる。そんなことはこれまでの人生経験からやらなくてもわかるのだ。

これなら、誰も参加しないチャットで一人コントをやってた方がよほど楽しめるだろう。というわけで、結局のところ、私のような引きこもり系の人間には全体チャットはおろか、チーム(ギルド)チャットも個別チャットも必要ない。

おそらく一生、私はアプリの中で友だちはもちろんのこと、ましてや恋人などできないだろうと思っていた。

そんな私に転機が訪れたのは、「牧場婚活」というスマホアプリにめぐり逢ったことだ。

名前からしてちょっとあれなゲームだが、「婚活」と言うくらいだから、少なくともアプリで遊んでいる人たちはみんな出会いに飢えているに違いない。ここでなら友だち、いや、彼女ができるに違いないと直感した。

レビューは3.6とあまり良くはない……いや、クソゲーが多い(個人的な意見です)アバターゲームの中では、むしろ良い方とも言える点数だ。評価は悪くないと私は速攻でインストールした。おそらく世界最速の男チャップマンすらも凌駕する早さだっただろう。

「牧場婚活」はゲーム性皆無のアバターゲームのくせに容量が2GBと頭おかしいほど多く、いくつかのアプリを消すことになったが、これで可愛い彼女がゲットできるなら惜しくない。いや、本当は痛いが彼女ができる男として強がっておくべきだ。

さて、そんなこんなでようやくゲームを始めたわけだが、結論から言うと「くそげぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!」って叫びたくなるくらいにつまらなかった(個人的な意見です)。何がつまらないのかわからないほどつまらない。むしろどこが面白いのかを教えて欲しい(個人的な意見です)。

本作ではプレイヤーに牧場が与えられる。そこで畑から家畜に与えるエサを収穫し、お腹を空かせた家畜には牧場で取れたエサを与えていく。そして、家畜が一定まで育つと製品ができ、それを売って牧場の運営資金となるのだ。これだけを読めばまあシミュレーションゲームとして楽しめるような気がするだろう。

しかし、そのゲーム性は低い。プレイヤーはただタップして、時間経過を待つだけだ。なんだこれは、最初は数分と短めだが、だんだんと1時間、2時間と頭おかしいほどに伸びていく。牧場がいっぱいになったら、収穫が終わるまでプレイヤーがやる事はなんにもないのだ。

どこをどう楽しめば良いのかさっぱりわからなかった。やっぱアバターゲームはクソゲーが多い(個人的な意見です)とアンインストールが頭をよぎったとき、上部のとあるビックリマークのアイコンに気がつく。そのアイコンは「友だちの申請」が届いた合図。なんとあろうことか女の子からの「友だち申請」が届いたのだ。

色々なアプリゲームを、ずっとボッチでやってきたこの私に女の子の方から興味を持ってフレンドになろうと言ってきてくれた。嬉しかった。返事を返すとき、手が震えてうまく「承諾」を押せないほど嬉しかった。

婚活の中に並ぶ、私とその彼女のアイコン。まさに理想のカップルだ。とりあえず交流を持ちたいところだが、牧場婚活初心者の私には何をすればいいのかわからない。だけど、なんとかしてコミュニケーションを取ってみたかったのだ。

そこで思い出したのが、フレンドになると出来ることだった。どうやらフレンドになれば相手の牧場へ行って、手伝いができるようになるらしい。もうすでに何度も製品を出荷していた私には、それは非常に容易いコトだった。これならいけると意気揚々と彼女の牧場へ行き、可愛らしい牧場をせっせと世話することになった。

すると、世話をするたびに「好感度」というのが上がっていく。ギャルゲーで言うところの恋愛フラグだろう。まさか、このゲームでは好感度を上げることで、リアル彼女ができると言うのか。まさにカルチャーショック、彼女ができるなら、多少の課金はやむないと思っていたが、このアプリなら、課金せずとも彼女ができるに違いない。なんという神ゲーなのだ。

もうアバターゲームとバカにしていたような感情はなかった。彼女の牧場が少しでも綺麗になるたびに、思わず笑みがこぼれて嬉しくなってしまう。ああ、彼女ができて、その彼女を手伝うって言うのは、こんなに気分が良いのか。ただのフレンドだったが、もう私の中では二人は相思相愛だったのだ。

牧場の世話をするたびにあがっていく好感度、そして、ついに「婚活」レベルが6となったとき、大きな変化が訪れた。なんと「プロポーズ」ができるようになったのだ。まさかまさか、現実世界で彼女さえいなかった私が、なんと彼女を飛び越えて、妻を迎えることができる。なんたる僥倖。

まだ一言も話したコトのない相手だが、相思相愛の仲。断れることなんて万にひとつもないだろう。さらに言えば、これだけ牧場の手伝いをしたのだから、むしろ向こうはプロポーズされているのを待ってるに違いない。ドキドキしながら、プロポーズのボタンを押す。

きゃーーーっ、人生初のプロポーズ。ああ、ここから彼女、いや、嫁をはべらせたリア充人生が始まるのだ。結婚式には誰を呼ぼうかとか、スピーチは社長にお願いしようとか、などとリアルと結びつけながら、彼女からの返事をまっていた。しかし、いつまで経っても返事は来ない。

忙しいだけとか、アプリを立ち上げられないトラブルに遭遇したなど、悪いパターンもたくさん考えた。しかし、決して彼女への愛は揺るがない。きっと彼女も私への返事をしたくて、今頃は相当慌てているに違いない。そんな想いばかりが膨らんでいった。そして、気がつけばプロポーズから24時間が経過しようとしていた。

プロポーズの有効期限は24時間しかない。それを過ぎれば、プロポーズは失敗となってしまう。

そんな私の元に彼女の名前とよく似た女の子からの友だち申請がやってきた。例えば「美夏」という名前なら「美夏②」という名前だ。ああ、彼女はきっとスマホを壊してしまい、私へのプロポーズに返事ができなかったことに負い目を感じて、わざわざ新しいキャラを作って私に会いに来てくれたのだ。そうでなければ、こんな②なんて名前の後ろにつけるはずがない。

もちろん、私は速攻で承認した。おそらく、世界最速の無人航空機X-A43よりも早かっただろう。

キャラが変わったことで、せっかくあげた好感度は0に戻ってしまったが、すでに一度やったことを繰り返すだけだ。こみ上げる笑みを抑えることもできずに、ひたすらに彼女の牧場を世話して好感度を再び高めていく。「ごめんなさい」とかの言葉を期待したがプロポーズを無視した形になったことについては何も言ってこなかった。というか、挨拶すらなかった。彼女も私と同じでシャイな性格なのだろう。奥ゆかしいじゃありませんか。

そして、やっとプロポーズができる好感度600を超えて、改めてのプロポーズ。今度こそうまく行く、そう信じ切ったが結果は――またしても返事がない。おいおい、どれだけ彼女は運が悪いんだ。ようやく買ったスマホをまた壊してしまったのか、いや、きっと初期不良だったに違いない。

などと彼女をフォローする。またスマホを使えるようになったら、友だち申請をして来てくれるに違いない。そうして、待つこと数時間。ようやく彼女(似た名前の美夏③)から、友だち申請が届いたのだ。やはり、もうこれは運命だろう。彼女は私と何が何でも結婚がしたく、その度にスマホが壊れてしまうと言うアクシデントに見舞われている。

ハードルが高ければ高いほど、燃えるのが恋愛というモノだ。再び私は彼女と友だちになり、好感度を上げた。そして、結果は――まさかの3連敗。一体どういうコトだ。何が悪いと言うのだ。いくら何でも彼女のスマホ壊れすぎだろう。いや、もしかして、何か一言くらいしゃべってからじゃないとプロポーズが成功しない「フラグ」のようなモノがあるかもしれない。そのために彼女は何度もゲームをやり直さなければならなくなったのかもしれない。

そう思った私は、今までのスマホアプリで一度もやったことがない「話しかける」という行動に出た。「こ、こんにちは」だっただろうか、色々と気の利いたセリフも考えたが思いつくはずもなく、とりあえず挨拶だけをしておくことにしたのだ。メッセージに気がつけば何かしら返事をしてくれると信じて。

しかし、返事はなかった。それでも新しい「美夏(仮名)」が後ろの番号を更新しながら何人も友だち申請をしてくるのだ。もう彼女が考えていることが全くわからない。一体何を試しているのだ。金か、やっぱり金なのか。そんなことを考えながら、過去の美夏(仮名)たちを眺めていった。すると誰ひとりあれ以降、ログインしておらず、アバターも変えていない。それどころか、自己紹介までみんな一緒と言うことに気がつく。

いくら何でもあまりに多くの偶然が繋がっている。携帯が壊れたとは言え、こんなことが起こるのだろうか。嫌な予感が頭をよぎる。それは絶対に考えたくもない可能性だった。しかし、スマホアプリである以上、それをすると得をすることが多いのもわかる。私だっていくつかのゲームでは同じ事を考えたこともあった。

「サブキャラを作る」

そうだったのだ。牧場婚活でサブキャラを作る意味はよくわからないが、そうすることでなんらかのメリットがあり、美夏(仮名)のプレイヤーは無数の美夏(仮名)を生み出しては放置していたのだ。

そんなボットとも言える無味無臭のサブキャラを、一人ずつ世話して、毎回プロポーズしていた自分が情けなくなった。自分が美夏(仮名)のプレイヤーなら、腹を抱えて笑っていただろう。いくら何でもバカすぎると……

もう死にたくなった、牧場婚活なんてさっさと消して、富士の樹海にでも行って死んでしまおうと考えた。だが、それでは美夏(仮名)のプレイヤーに笑われたままになる。そんなことで死んでもいいのか。そう誰かが私に囁いたような気がした。

それから必死になって、体を鍛えたり、勉強したりして、自分を磨いていった。そして、あれから、何ヶ月経っただろうか。今の私の隣には素敵な奥さんと雄大なカップル牧場があり、女の子のフレンドも100人を超えている。すげー楽しい牧場婚活。最高だ。

彼女がいないそこのキミ、私と同じように悩んでいるなら、ぜひはじめてみよう。きっと素敵な奥さんと巡り会えるはずだ。だけど、量産される同じ名前の女の子には絶対プロポーズしちゃダメだぞ。

次のエピソードへ続く >>

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