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いつも控えめでみんなの意見を尊重するセイラ。そんなセイラが絶対に譲れないもの。それはなんと……?

公開:2021年02月09日

皆さん、こんにちは、もりすかだ。
いつも読んでくれてありがとう!

今回は2021年1月31日(木)18:00~2月15日(金)23:59まで開催されているイベント「こいしんぼ」ストーリーの紹介をしていく。イベントタイトルを見て「あれ?」と思う人もいるだろうが、その感覚は間違っていない。どう見ても「美○しいぼ」だ。

マジカミは昔からタイトルをパクることはあるが、ストーリーはまったくオリジナルを用意してくる。まあ、リスペクトと言うことで生温かい目で見守ろう。さて、今回は間違いなくバレンタインにちなんだモノになるはず。一体どんな話になるのか、期待しながら見ていこう。

オープニング:小市民のプライド

いつものカラオケボックス。いろはとりりは二人で、みんなが楽しんで遊べる場所を話し合っていた。しかし、魔法少女たちの趣味趣向はバラバラで、なかなかこれといった場所がみつからない。そこにセイラがやってきた。

いろははセイラにアイディアを出してもらおうと遊びたい場所を尋ねる。事情を聞いてセイラは逡巡し「映画」と答えた。しかし、それを聞いたいろはは表情を曇らせる。普段のセイラを考えれば、映画というのはみんなの為を思った意見に違いない。でも、いろはが知りたかったのは、セイラ個人の考えや気持ちだ。

いろはは不満をぶつけるように、少しキツくセイラに詰め寄る。思いがけない展開にセイラは困った顔を見せるだけ。雰囲気が悪くなったと察したりりは、話を変えるためにみんなを呼んで甘いもので食べに行こうと提案した。

それに同意し、セイラは自分の行きつけの店を紹介したいと口にする。

1話:お菓子のユメ

セイラに案内されてやってきたのは「ラビットストリート」、初めての場所にりりが驚いていると、花織がドヤ顔で語り始める。

超ミーハーな花織は区画ができてすぐに網羅したようだ。

花織の話に関心していると人が長蛇の列を作っているお店が目に止まる。そこがセイラの言っていた場所かと期待を高めるが、セイラが紹介したいのは丁度、その店の向かいにある店だった。

案内されてやってきたのは「CACAO APOCALYPSE(カカオアポカリプス)」という名前のお店。中に入ると元気な女性の声が聞こえてくる。彼女の名前は「夏子」と言い、セイラとは顔見知りだ。

個性的な店で魔法少女たちは思い思いに好意的な感想を口にする。しかし、店は閑散としており、魔法少女たち十二人だけだ。お客が誰もいないことに不安を抱くと、セイラが慌ててフォローする。いつもはもっとお客がいるらしい。

どうやら向かいにできたケーキ屋さん「ハニーテイスト」にお客さんを取られたようだ。店の名前を聞き、花織が目を輝かせる。なんでも「ハニーテイスト」のケーキは、一度食べると中毒みたいにやみつきになるらしい。そんなわけで、まったくお客がこなくなったので、夏子は移転も視野に入れていた。

運ばれてきたケーキに蒼が舌鼓を打つ。魔法少女たちが出されたケーキに大満足しているといろは、セイラ、りりの元に新しいドレスが届く。

「カカオアポカリプス」のおいしいケーキを食べたことで、店がなくなるのに放っておけなくなった魔法少女たちは、お客さんを取り戻す為に出来る事はないかと模索するのだった。

2話:活きた墓場

さっそく「カカオアポカリプス」を立て直すために行動を始めた魔法少女たち。まずは敵情視察をするために、いろはとりり、そしてセイラは「ハニーテイスト」に並んでいた。しかし、扉まで続く長蛇の列を見て、いろはは深いため息を吐く。

そんないろはを横目にりりはいくつかのSNSを使って、情報を集めていた。どれを見ても「ハニーテイスト」の絶賛ぶりは凄まじいものだ。そのせいもあってか列は全く進まない。ようやく店から出てきた男性はどこか様子がおかしかった。

恍惚とした表情で手はプルプルと震えており、ブツブツと独り言をつぶやくと、再び列に並び直す。どう見ても危ない人だ。怪しい雰囲気を察した三人が店の中を覗くと、悪魔がお店の店員をやっていた。

しかし、とくに暴れていることはなく、普通にお金を使って取り引きをしている。ただ、お客さんたちのケーキへの執念はものすごく、一人で二十個以上も注文している人もいるほどだ。

悪魔を見つけては退治したくなるいろはが店の中に躍り込もうとするが、りりがそれを止める。ごった返す店の中で戦うのは非常に危険と判断してだ。いろははしぶしぶと納得し、予定通りケーキを十二個テイクアウトした。

3話:調理のルール

ケーキを買って「カカオアポカリプス」に帰ってきたいろはたち。「ハニーテイスト」で見たことをみんなに報告する。事情を聞き、「ハニーテイスト」のケーキをエリザが調べることになった。

翌日、ケーキの調査を終えたエリザがみんなの前で発表する。「ハニーテイスト」で出されているケーキは黴体生物をチョコに浸し、ケーキに見えるようにデコレーションを施したまがい物だった。

中毒性も確認でき、あのケーキを食べるとお腹が空き、同じケーキをまた食べてしまいたくなるらしい。そして、ケーキの質のとしては、とても粗末なものだとエリザは悪態をつく。そこにやってきたのは、ハニーテイストの店長だった。

嫌がらでもするつもりなのか、ケーキをテイクアウトして帰っていった。

翌日――

悪魔を操るハニーテイストの店長を叩きにやってきたが、相手は人間。悪魔を倒せばいいわけじゃない。状況を変えるために、先日手に入れたドレスに変身してみることになった。

その姿はほとんど裸。ドレスとは言えない過激なものだった。そんな姿に恥じらっていると、窓ガラスが割れる音が聞こえ、突然チョコをまぶした悪魔が襲って来た。恥ずかしがるセイラだったが、周りに煽られてそのまま応戦する。

4話:激闘ムジナ合戦

無事に悪魔を倒した魔法少女たち。状況を確認しているとハニーテイストの店から店長が飛び出してくる。急にケーキが暴れ出し、魔法少女たちに向かっていったようだ。

何をしたんだと詰め寄ってくる。しかし、魔法少女たちは急に襲われただけ、話が平行線になると店長は腹を立てながらも店の修理をするために戻っていった。

店長が悪魔をけしかけたのでないなら、セイラたちが着ているドレスがケーキの悪魔を引き寄せる効力でもあるのかもしれない。つまり、ハニーテイストの営業妨害ができると言う結論に至る。

セイラたちは破廉恥なドレスを着たまま、カカオアポカリプスの宣伝をしつつ、ハニーテイストの嫌がらせをすることになった。

5話:コンジャク慕情

数日後、ハニーテイストの行列は変わらなかったが、カカオアポカリプスには少しずつお客が戻ってきていた。セイラは自分が客寄せパンダとして十分に役立っていることを理解しつつも、まだその姿に納得できていない。

それでもお店のために恥ずかしさを我慢しながら、頑張り続けるセイラ。普段は他人に合わせるばかりで自分の気持ちを決して見せようとしないセイラが、自らの判断で行動していることに、いろはは強い興味を覚える。どうしてそこまで頑張るのか尋ねると、セイラはカカオアポカリプスとの出会いを語ってくれた。

学園で高嶺の花として、凜とした姿を続けなければいけなかったセイラが、夏子と出会い、唯一自分を出せる場所となったのがこの店。だから、どうしてもこの店は守りたい。

セイラは甘いものが好きなどと、自分の隠された真実を語ったつもりだったが、いろははセイラがそういう子だというのは知っていたと笑って答える。すべてを見透かされていて、恥ずかしい気持ちになりながらも、セイラはもういろはの前では、気取った自分でいる必要はないと悟り、笑顔を返した。

6話:肢体の威力

カカオアポカリプスは客足を取り戻したどころか、以前よりもお客が増えて大盛況になっている。エリザが先頭に立ち、動画サイトへのCMやホームページなどの広告に力をいれたことで、色々な人にお店を知ってもらうきっかけになったようだ。

これだけ結果を出したCMが、どんなものになっているのか興味を持ったセイラがスマホで見てみる。すると、そこにはあの裸同然のドレスを着たセイラがバッチリと出ていた。撮影を許可した覚えのない隠し撮り同然のとんでもない映像に、セイラは泣き出しそうになる。

事情を察した夏子は申し訳なさそうに頭を下げ、出演料として向こう一年間はケーキ食べ放題という条件を出してきた。その提案にセイラは素直に頷く。意外とチョロいセイラに魔法少女たちは呆れた顔を見せる。

カカオアポカリプスが盛況になったのは、広告の力だけじゃない。魔法少女たちがそれぞれ、新作のケーキの考案や買い出しの手伝いなどに尽力していた。全員の力で創り上げたお店の様子を見て、セイラが大満足な顔を浮かべる。

その時、不躾にお店のドアを開けて入ってきたハニーテイストの店長。カカオアポカリプスの好調な売れ行きに驚きと怒りを露にする。客を取られたことに対する愚痴と不満を言いに来たようだ。肌を出して人気を取っただけのケーキ屋なんて認めないと、半場やけになったハニーテイストの店長が食べ比べの勝負を挑んでくる。

7話:ガチで勝負!!

カカオアポカリプスとハニーテイストの勝負の話題はすぐに広まり、二つのお店の間にはものすごい人数が集まり、賑わいを見せていた。これだけネットが進んだ社会、勝敗はSNSで拡散され、負けたお店は信用を失うことになるだろう。絶対に負けられない勝負。

ハニーテイストの店長が提案したルールは、互いに相手の店のケーキを食べ、「食えなかったら負け」。さらに「2つ目に手を出したら、負け」とシンプルなものだった。だが、ハニーテイストの出すケーキは黴体生物でできており、中毒性があるのは既に証明済み。どう考えてもルールが不公平すぎだ。

魔法少女たちからはインチキ臭いルールに非難の声が上がるが、夏子はそれでも勝負を受け、出されたケーキを口にした。夏子は呻き声を上げながら、その場に倒れ、蹲ってしまう。

思惑通りにことが運び、ハニーテイストの店長は高笑いを上げる。しかし、なんとか正気を取り戻し、夏子は立ち上がった。黴体生物の効果通り、お腹はペコペコ二なっていたが、ハニーテイストのケーキをこれ以上食べたいとは思わないようだ。みんなで創り上げた自分の店の新作ケーキの方が、ずっとおいしいと理解していたからだった。

夏子が耐え、こんどはハニーテイストの店長がカカオアポカリプスのケーキを食べる番。しかし、怒鳴り散らし、悪魔を喚び出すと夏子を襲わせようとした。見かねた魔法少女たちは変身し、啖呵を切ると悪魔に向かっていく。

8話:勝利の神秘

魔法少女たちによって悪魔たちは退治された。負けた悔しさで発狂したようにハニーテイストの店長はひたすらに叫びまくる。そして、何を思ったのか、自分で作った黴体生物入りのケーキをがむしゃらに食べ始めた。

すると、その姿は筋肉でムキムキになり、体中には不気味に血管が浮かび上がる。まだ諦めようとしないハニーテイストの店長にセイラはやめるように叫ぶ。ハニーテイストの店長はゆっくりと自分の過去を口にする。

ハニーテイストの店長は誰よりも美味しいケーキを作り、両親だけじゃなく、大勢の人を笑顔にできるパティシエになるのがずっと夢だった。専門学校に入り、他の生徒たちと比べられて、自分には才能がないことに嫌でも気づかされていく。

煌びやかな彫刻品のような見栄えの中に並ぶ、拙い泥細工のような自分のケーキ。無慈悲な現実に打ちひしがれ、圧倒的な劣等感は専門学校を卒業した後も続いた。もううんざりだった。

急に姿を見せた双子に手渡されたのは、奇妙な植物。わらにも縋る思いでそれを口にした。そうして、その体には力が宿る。どんな方法でもいいから、自分のケーキを食べさせれば、絶対に虜になる。それがハニーテイストの店長の得た力。

話を聞き、それでもセイラはハニーテイストの店長を否定する。心のないケーキは誰の心にも響かないと。夏子は続ける。あなたは勘違いをした。ケーキが好きだと。でも、本当はケーキを食べた人が浮かべる笑顔が好きなんだと。

全てを否定され、ハニーテイストの店長は叫び続ける。そして、黴体生物の感情摂取により膨張していた体は、ついに体内での処理が間に合わずに崩壊を始めた。

ハニーテイストは閉店し、カカオアポカリプスには平和が戻った。今日も変わらずにセイラたちは過激なドレスでバイトを続けている。CMや動画で予想以上の反響が出て、やめるわけにはいかなくなったようだ。だが、それも今日も終わり。別れの言葉と共にたくさんのケーキをもらう。

いろはもりりも明らかに食傷ぎみな顔になっているが、セイラだけは嬉しそうに受け取る。あれだけバイトで食べながら、飽きないのかといろはに尋ねられ、セイラは満面の笑みを見せた。

EX:クズのいぶき

「ハニーテイスト」は脅威的な売り上げと、一度食べたら離れられないケーキ。渋谷のスイーツ店の中で伝説の名店として名を残したであろうお店が突如の閉店。その信用は地に落ちた。

薄暗い部屋の中、男は光を失った瞳で深く頭を垂れている。自信に満ちていた顔は成りをひそめ、すっかり落ち込んでいた。どうして、こんなことになったのだろう。あの双子に渡された謎の植物を口にしてから、全てが狂い始めた。

今、思い出しても、洗脳まがいのケーキを作り、とんでもないことをしてしまったと後悔しか出てこない。死んでも意味が無いことも分かっているが、もう生きる理由を見出せそうになかった。

最後の晩餐にと男は調理場の冷蔵庫を開ける。

そこにあったのは先日、「カカオアポカリプス」から持ち帰った包みがあった。中にはひどく簡素なケーキ。専門学校時代に見た才能溢れるケーキと比べて、ひどく飾り気に欠ける。それをフォークも使わずにかぶりつく。冷たいケーキなのに、甘みがどこか暖かく感じられた。

「……美味い」

もう一口。やはり美味い。力をなくしていた顔に、思わず笑みが零れる。食べるだけで笑顔になれるケーキなど反則だ。勝てるはずがない。ケーキを食べて笑顔になったのはいつぶりだろう。

もう一度、自分でもケーキを作ってみたくなった。こんなにも人を笑顔にできる素敵なケーキを食べて、憧れないはずがない。男は奥の倉庫へと歩き出す。

今度こそ、間違えることなく……みんなを笑顔にさせられるケーキを作るために。

「こいしんぼ」の感想

2月でお菓子と来たら絶対にバレンタインのネタかと思ったが、バレンタインにはまったくちなんでなかった。実に予想外だ。

ストーリーに関しては黴体生物を使ったケーキを作っていたお店を、魔法少女が倒すという王道系で、読み応えも十分だった。ただ、なんというか、王道系だからしょうがないけど、ご都合主義が若干気になる。

例えば、黴体生物ケーキを食べた夏子が、自分のところのケーキの方が美味しいからって、中毒にはならなかったところ。我慢や精神でどうにかなるなら、それっぽく効果は人によって変わるとか、効果が弱い黴体生物もいるとかの伏線を入れておいて欲しかった。そこまでは食い入るように読めたストーリーだけに、最後が惜しかった。

それにしても黴体生物にチョコを塗って作るケーキ。食べてみたいと思ったのは私だけではないだろう。味とか歯ごたえとか喉ごしとか匂いとか、食べられるならぜひ一度食べてみたい。まあ、食べると頭おかしくなってしまうので、その後のケアを考えると躊躇してしまうが……中毒性のある薬物、ダメ、絶対。

というわけでまた次回のイベントでお会いしましょう!

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