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自分がゾンビになるというマジカミならでは恐怖体験。ゾンビとなった自分とリンクしていく異常な精神状態を堪能しよう!

公開:2020年06月12日 (最終更新:2020年11月14日)

皆さん、こんにちは、もりすかだ。

今回は2020年5月31日18:00~6月23日23:59まで開催されているストーリーイベント「トリセツ・オブ・ザ・デッド ~CAN U CELEBRATE?~」の紹介をやっていく。

タイトルからなんのゲームをもじったのかわかる人も大いに違いない。その勘はきっと正しい、今回はゾンビがテーマになっている。ゾンビと魔法少女の絡みが、プレイヤーをどれだけ恐怖に叩き込んでくれるのか期待しながら、読み進めていきたい。それでは早速始めよう。

OP:ゾンビ、震える

生肉のような異臭が漂う場所で、女は目を覚ます。重い体を起こし、周囲に目を向ける。

薄汚れたボロボロの服を纏い、青ざめた肌の人間がのたうち回ったり、這いずり回っていた。彼らの目からは酸化した血のような、ドロリとした黒い液体が滴っている。時折、地の底から湧き上がるような呻き声が響く。

ふいに自分の耳の中に、何かがヌメリと入ってきたのを感じた。同時に鈍い頭痛がして、視界が大きく揺れると目の前が薄暗くなっていく。

「……イヤ……イヤ……」

失望に満ちた日々が、走馬燈の如く蘇った。濃紺の短髪を掻きむしり、強大で薄暗い回廊に怨嗟の絶叫が木霊する。

その様子を遠くから眺める人影があった。

「あいつ……使えそうね。魔法少女……せいぜいあがき苦しむがいいわ」

エメラルドの瞳が妖しく猟奇的な色に光る。

1話:塔からのねぇ darling

りりと花織は「渋谷スクラムスクエア(通称スクスク)」を前にやたらとテンションが高くなっていた。最近、渋谷にできた新しいランドマークの大規模な複合施設だけあって、ミーハーな二人がはしゃがないはずがない。展望台にカフェ、行きたい場所は山ほどある。

まずやってきたのは展望台。東京どころか関東が一望できる景色に満足していたが、ふいにりりが「花織と同じ髪型をした人がいたような……」と言い出す。そっくりすぎてドッペルゲンガーだと思ってしまったほどだ。

気持ちの悪い話になんとなく気分が下がったので、二人は下にあるカフェに移動することにした。

その後は、そんな話も忘れて、おしゃべりをし、洋服を見たりと充実した休日を過ごしていく。スクスクのめぼしいスポットを眺めながら、ビルを散策しているとショーウインドウに飾られた純白のウエディングドレスを見つける。目が奪われるほどに綺麗なドレスの横にはチャペルの写真もあり、それを見て花織は色々な想像を巡らせはじめた。

まさに「ジューンブライド」的な気分を味わっていると、りりのスマホに新しいドレスが追加される。羨む花織。そんなとき、大きなの悲鳴が響く。それを皮切りに客たちがひしめき合いながら、エスカレーターを駆け下りてくる。逃げろ逃げろと言われるが、悪魔かもしれないと思った花織たちは屋上に向かう。

二人が再び展望台に辿り着くと、暖かな日差しが降り注ぐ中、やたらと歩みが遅い数人の人影がうろついている。ぎこちない動きのそれを見て、最初に浮かんできたのは紛れもなくゾンビだった。

2話:迎えに来たゾンビ

ゾンビに気がついた花織とりりが急いでみんなに連絡を取り、緊急招集をかける。逃げ遅れた人々を助けていると、一人一人と魔法少女たちがやってきた。全員が揃ったところでゾンビの制圧を開始する。

目の前のゾンビたちは片づけたが、ゾンビがどこからやってきたのかわからないと、勝利を喜ぶこともできない。周りにはそれらしい発生源もないし、原因不明なまま。そんな時、花織のスマホが鳴る。どうやら、ずっと欲しがっていたウエディングドレスのドレスを手に入れたようだ。

散々もったいつけながらようやく花織はドレスに袖を通す。みんなに褒められてすっかり上機嫌な花織だった。薄汚いゾンビと見分けがつくように、ウエディングドレスを持っているいろはとりり、そして花織はそのままの格好で活動することになる。

ゾンビについてネットを使って調べて見たが、ここでの発生以外騒ぎは起こっていない。このビルの防犯カメラのデータにアクセスするために、中央管理室を目指すことになった。全員で人気のなくなったスクスクの通路を突き進む。時折どこからかゾンビが襲いかかってくる。

それらをなんとか退治しているとユラリと新しいゾンビが姿を見せた。

ウエディングドレスを身に纏った花織そっくりなゾンビ。おかしな発音ではあるが、他のゾンビとは違って、まだ聞き取れる言葉を使ってくる。やたらと「結婚したい」と言った感じの言葉を連呼する花織ゾンビ、その顔はどこか寂しげだ。

話を聞いてみると「フィアンセに逃げられた、フィアンセを探して」と叫び、頭を抱え込む。どうやら婚約破棄されたらしく、花織ゾンビは悲観に暮れているようだ。

3話:ゾンビの取扱説明書

襲ってくる気配を見せない花織ゾンビを使って、その生態を調査することになった。もちろん、本来の調査も忘れてはいけない。ゾンビの話を聞くチームとゾンビ発生原因を調べる二つにチームを分ける。機械に強いメンバーと言うことで、エリザと陽彩たちがコムニスを連れて、中央管理室に向かう。

残ったのはりり、花織、いろは、丹、セイラ。このメンバーでゾンビ花織の話を根気強く聞いていく。ゾンビ花織はりりによって「カオリンZ」と名付けられた。カオリンZはゾンビになった経緯などは覚えていないが、お似合いのフィアンセを探して欲しいと頼んでくる。

ゾンビの情報を得るためにもフィアンセ捜しに協力することになった。好みのタイプを聞くと、いつも可愛いとか好きだと言ってくれる人。そして、汗の臭い。汗臭い男の匂いする相手が良いようだ。

姿が変わっても本人らしく、思考回路が似ており、思いがけずマゾな性癖までを暴露されて、花織の顔が狂気に染まる。ゾンビよりも禍々しい黒いオーラが出ているようだった。

ある程度趣味を聞き出したところで、あっちに人がいると言い出すカオリンZ。とりあえず、残っている人がいるならと救出へ向かうことになった。

4話:ウチじゃなきゃダメ

陽彩たちは無事に中央管理質に到着していた。そこに置かれていたモニターは全部で3台だが、画面内で複数に分割されているので、各所の様子を見ることができる。その中で陽彩は気になるものを発見した。

その頃、花織たちはカオリンZを連れて、さきほどりりと訪れた屋上の一つ下のカフェに来ていた。逃げ遅れた人が20人ほどいたが、一様にみんなカオリンZを見て、敵意の目を向けてくる。もちろん、ゾンビと一緒にいる花織たちも同様に奇異な視線に晒された。こんな状況でフィアンセの話をしても怖がらせるだけだ。

丹が慎重に事情を話していき、なんとか相談したいから少し時間が欲しいというところまで話ができた。

再び場面は陽彩たち。解決の糸口が見えてきたところだった。カメラを色々といじりながら色々と見ていくと、屋上にオムニスのかぶり物をしている輩を発見する。そして、次の瞬間、誰もが目を疑う事態へと発展した。カオリンZの頭部が一瞬大きくなったかと思うと、かぶり物ごと頭を丸呑みにしてしまったのだ。何が起こったのかわからず、陽彩たちは屋上に急ぐ。

少し時は戻り、屋上でカオリンZのフィアンセ選びが行われていた。候補者は10人、様々なタイプの男性が揃っている。その中の一人に大きなかぶり物で頭を覆っている異様な雰囲気の男性も混ざっていた。その姿はどう見てもオムニスそのものだ。気になりながらも、順調にお見合いが進んでいく。いよいよ異様な姿をした男性の番になった。ゆっくりカオリンZの前に近づく。

彼はカオリンZにアイドルになる可能性を感じたらしく、結婚なんかよりアイドルになることを目指そうと言ってくる。その言葉に怒ったのか、カオリンZの頭が一瞬、巨大化し被り物と頭が吸い込まれるように消えていった。

そして、頭蓋骨を砕いているであろう生々しい咀嚼音が晴天の空の下に響く。頭部を失った男性の体が膝から崩れ落ちると、再び大きく口を開けて丸呑みする。それを見た他の候補者たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

カオリンZは頭を抱えて小刻みに震え出す。そして、眼球がグルリと一回転する。焦点が合わない両目から漆黒の液体が溢れだし、純白のドレスを汚した。頭から生えたピンク色の角のような物が、猛々しく天に伸びていく。結婚したいと呻きながら、カオリンZはだんだんと巨大化しはじめた。

5話:ママに言えない事も

怒りで暴走したカオリンZに言葉はもう届いていないようだった。攻撃しても歯が立たず、危険を察して一度チャペルへと逃げ込む。結婚に嫌な思い出がある以上、結婚式場には来られないだろうという希望的観測からだ。そんな中で何を思いついたのか、突然、花織がりりに結婚しようと言い始める。

話もわからず、当然、りりは嫌がる。そこにやってきたいろは。だったらと花織はいろはに結婚を申し込む。それを「面白そうだし」の一言でいろははあっさりと了承する。

謎の結婚式が厳かに執り行われていくはずだったが、なぜか花織が、新郎、新婦、牧師役を一人で演じはじめる。誰も花織の考えについていけない。頭がおかしくなったのではと周りが心配してしまうほどだ。ふいに花織がみんなに話しかけてくる。

やっと終わったのかと驚いていると、「結婚式は好きな人とじゃなきゃ意味がない」とか悟ったようなことを言い始めた。

誰もがわかっていることを今さら痛感し、さらに自分はダメだダメだと騒ぎ出す。ネガティブと言うよりもヒステリックな成分が強い。花織がどうしたのか、その真意は誰にもわからなかった。

「自分なんか一生幸せになれない……」

6話:君って君ってブルー

小さい頃、花織は妹が生まれて少ししてから、田舎のおばあちゃんに預けられた時期があった。そのとき、母親は自分とは一緒にいたくないんだと思ってしまう。それから、自分は誰からも愛されないんじゃないかっていう疑念が染みついたのかも知れない。とにかく、誰に何を言われてもプラスに考えることができない。

励ましてくれているんだろうけど、どうしても責められているような気になってしまう。ただ優しくされたいだけなのに、どうしてかみんなにキツいことを言われる。嫌われたくなくて、精一杯気を使ってるのに、誰もわかってくれない。

思わずため息が零れるりり。どんなに花織をフォローしても悪いように考え、会話が通じない。状況はだんだんと悪化しているようにも思えてしまう。まるで違う話でもしているかのようだ。花織はいつ頃からおかしくなっていたのか。オムニスの質問にみんな考え出す。

おかしくなったのは、カオリンZとカフェに行ったときから。あの時からネガティブなことを言い始めていたことに丹が気づく。しかし、その意見に対して、いろははもっと前からだと言い出す。そして、ウエディングドレスのドレスを身に纏ってからおかしくなったということでまとまった。

「元々の持ち主」の記憶が花織にも影響している。それが陽彩の出した仮説だった。花織を元に戻すためには変身を解くしかない。そんな話をしていると、カオリンZがこちらに近づいて来ているのが見えた。

7話:妄想限界knock down

屋上までカオリンZを誘導して、魔法少女たちは戦いを繰り広げていた。しかし、花織だけは俯いたままぶつぶつと呟き、ふさぎ込んでいる。そんな花織を見かねたりりが素早く駆け寄った。

すぐ隣では激しい戦闘が続いているが、それでもりりは根気よく花織に話しかける。りりの言葉に感化された花織は思いの丈を叫ぶ。

それによって、なぜか動きが鈍くなっていくカオリンZ。そこに叫んだことで我を取り戻した花織の重い一撃が放たれる。

8話:永久保証の『ウチ』

全身から体液を拭きだして、カオリンZは轟音とともに消えていった。

体液で真っ黒になってしまった花織はトイレに来ている。そこで一日の疲れからウトウトとしてしまう。どれくらい眠ったのだろうか。目を覚ました花織は慌てて、みんなと合流した。するとなぜか、話がバカアワビを退治しに行くことになっている。

陽彩が中央管理質で見つけたのは、「マオ」がバカアワビをビル内に仕掛ける様子だった。そして、それがゾンビの本拠地に繋がっているらしい。

問題なくバカアワビを破壊し、ゾンビたちを完全に退治することができた。

カオリンZだけが意思を持っていたのは、おそらくマオが何かをしたからに違いない。そんな話でまとまりそうだったが、何を思ったのか、りりが突然、カオリンZによって明るみになった花織の暴露話を持ち出しはじめた。笑いながら語る姿を見て、ぼそりと花織が呟く。

普段笑っている分、怒らせると一番怖い相手かも知れない。

EX:キミの描く未来に

ゾンビ事件から数日後、魔法少女たちはいつものカラオケボックスにいた。ゾンビたちの件は、エリザが作ったBotによって情報操作され、映画のプロモーションの一環と言うことになっていた。

ふとした会話の中で、カオリンZの婚約破棄の原因についての話が出てくる。詳しい理由は誰も知らない中で、花織だけの肩だけはピクッと反応した。そんな花織の様子を見ていた陽彩が会話の中から導き出したキーワードを元に推理しようとするとが、それを花織が止める。どうやら、花織だけは本当の理由を知っているようだ。

トリセツ・オブ・ザ・デッド ~CAN U CELEBRATE?~の感想

ゾンビというテーマでここまで笑える話に持っていけるのは素晴らしい。花織というキャラが今回のイベントは際だっていた。受験にも失敗して、引きこもって、いろはに助け出されたという過去話は本編にもあったが、まさかそのネタを使って、今度は波乱の結婚話までもっていくとは正直驚きだ。もともとドジっ娘で臆病なイメージはあったけど、輪をかけておかしな娘のイメージになっている。

メインストーリーでは真面目な話が多くなっているので、花織のドジっぷりはあまり発揮できないが、本来はものすごくポテンシャルの高い娘なのだろう。「優しくして欲しいけど、時々はいじめて欲しい」という女の子の本音を聞いたような気がする。そう言う意味でも今回の話は面白かった。

おそらく今回の話で花織のランキングが上がっている人も多いだろう。私もその一人だ。クラスの中にいたどうでもいいと思っていた子がふいに可愛く見えた瞬間と言うべきか。これからは花織の行動からは眼が離せない。

あと、時折選択肢が出てくるのは嬉しいだがが、どっちを選んでも行動が変わらないと言うのは面白くない。それなら、選択肢などない方がよかった。行動は違うけど、結果は同じならまだよかったが……せっかく選択肢を入れるなら、結果を変えられる楽しみをプレイヤーにもくださいな。

ということで、次回のイベントはかまいたちの夜ばりに、結果がガンガン変わるイベントに期待しよう。それではまた次回!

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